家庭内での話し合いの仕方についての一考察
1.二項対立
2.スリルを高める二項対立
するの?しないの? 行くの?行かないの? という二者択一の論法を二項対立と呼ぶらしいです。
二項対立は相手をひどく追い込みます。
登校を渋る息子にイライラした父親が
「学校に行くのか行かないのハッキリしろ」と迫る姿はよく見ますが、
そう迫られるとかえって答えにくくなるようです。
何かを決めるのは大きな緊張を伴います。
紙とペンを渡して「一本線を引いて二つに区切ってみなさい」という課題をさせて、躊躇なく線を引ける患者さんだけ復職を認めていたそうです。
2.スリルを高める二項対立
決断する時には他の選択肢に未練があっても割り切らなくてはなりません。
二項対立では多肢選択の時に比べて、割り切って捨てる未練の量が多くなります。
それゆえ決断するときは苦渋の決断となる一方、結果は勝ち負けや白黒がはっきり出ます。
ドキドキ感が強くなる、とても心理的エネルギーを消耗させられる選択です。
従って、このような選択が人間関係のなかで行われると、愛憎が深くなってしまう。
自分が応援しているチームが勝ったときの喜びの大きさと負けた時の落胆の強さ。
三角関係で一方を選んだときの、選ばれた方の愛情の強さと選ばれなかった方の憎しみの根深さ。
調べてみたら、ヒトラーもこのような二項対立を多用して、多数派を形成していったらしいです。
3.意地を張った結果
一方心理学の統計調査をするとき、多肢選択が被験者の心理に近い回答が得られるの対し、二者択一では回答結果が被験者の心理から遠くなると言われています。
決断したときに割り切った気持ちの量を考えたら当然ですよね。
誰かと争って得たパートナーが自分の理想の相手とは遠かったということは大いにありえます。
また残っている未練が後々まで尾を引いてしまうこともありえます。選ばれなかった方から「それでもあなたが好き」と言われたら、心が動かされるのも不思議はない。
4.家庭内での話し合い
こう考えてくると、家庭内では二項対立による論議はあまりしないほうが良いように思われてきます。